• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

ハンドレッドノート -誰そ彼の少女-

第2章 私にはない絆


何かおかしかっただろうか。なんのリアクションもない、2人を前に、私の心臓はさっきから嫌な音を立てて冷たくなっている。早速何かやらかしてしまったかと、不安に思いながら、私はおずおずと声をかけた。

『あの……。どうかしましたか?』

すると、私の声でハッと我に返ったのか、サングラスをした男の人がふっと表情を和らげてくれた。張り詰めていた空気を優しく解きほぐすような声音で、彼は丁寧に挨拶を返してくれる。

「初めまして。私は枯柳 杖道(かれやなぎ じょうどう)だ。好きなように呼んでくれて構わないよ。」

そういうと、杖道さんは、隣に座っている綺麗な男の子に挨拶をするよう促した。

「さぁ、仁(じん)。お前もだ。」

そう言われ、彼は少しそっぽを向きながらボソッと挨拶をしてくれた。

「探偵の司波 仁(しば じん)だ。」

「おい、仁。それはないだろう。」

「そーだせ!仁。」

杖道さんがたしなめてくれたが、それよりも私は、驚きの方が勝ってしまった。序列上位の探偵だからと身構えていたが、情報を引き出すのは案外難しくないのかもしれない。現に今の挨拶だけで、3人の個性や、関係性が現れている。

身構えていたのが少し馬鹿らしくなって、私は小さく吹き出しそうになった。

『ふふ、杖道さん、仁さん、よろしくお願いしますね!皆さん本当に仲が良くて、なんだか少し羨ましいです』

私がそういうと、みんなそれぞれ違う反応をした。

「えー??そーみえる?」

瑠衣さんはそう言っているが、私には、これだけ息がぴったりなのに、自覚はないのかな?と不思議で仕方がなかった。それと同時に、お互いを自然に信頼し合えている彼らの姿が、どうしようもなく羨ましかった。

でも、これなら今回の任務もなんとかなりそうだな。

そう心の中で小さく安堵の息を漏らしてから、私は笑みを浮かべ直し、本題を切り出すことにした。

『みなさんご存知か分かりませんが、今回の捜査は、名目上は合同と言っていますが、実際には私は捜査に加わることはせずに、皆さんの捜査を見学させていただきたいのです。』
/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp