第2章 私にはない絆
そういうと瑠衣さんは驚き、声を上げた。
「見学ー??」
仁さんの目が鋭くなった。そのアメジストの瞳に見つめられると、なんだか、心を見透かされそうな気がした。もしかして、何か気づかれている?と背筋が冷たくなる。
だけど、そんな私の緊張を破るように、物怪さんは私の見学宣言をあっさりと快諾すると、隣に座る少年の肩をぐいぐいと小突いた。
「なーんだ、そんなこと!いいぜ!な!仁!!」
「ああ。」
ひとまず見学を承諾してくれた仁さんは、組んだ腕に少し力を込め、探るような視線を私に向けた。
「——で、今回の事件の詳細は、頭に入ってるか?」
彼の問いかけに、私は背筋を伸ばしながら、元気な声を弾ませた。
『はい!ネストから共有された資料は、バッチリ頭に入っています!』
フードの奥で満面の笑みを浮かべて答えると、隣にいた瑠衣さんが、嬉しそうにパッと顔を輝かせ、ソファーから勢いよく立ち上がった。
「おっ、さすが!」
「じゃあさ、早速みんなで現場に向かおうぜ!名瀬も準備万端みたいだしさ!」
瑠衣さんがそう言って、隣に座っている仁さんをみる。仁さんはもう一度私を見てから答えた。
「……ああ。そうだな。ダラダラしてても時間の無駄だ、行くか」
そう言って仁さんもソファーから腰を上げ、続いて杖道さんも穏やかに微笑み、立ち上がりながら、声をかけてくれた。
「それじゃあ、行こうか」
『はいっ!』
私は笑顔で、元気に返事をすると、彼らの後ろに続くために一歩を踏み出した。
いよいよ、合同捜査が始まる。
他ハウスの彼らがどんな風に事件を追うのか、この目でしっかりと見守らせてもらおう。