第2章 私にはない絆
『見守る…ね。』
名瀬は序列1位。上も、名瀬が忙しいことは重々承知のはず。それなのに、わざわざ忙しい私の予定に無理やりねじ込んできた。そんなことができるのは1人しかいない。ネストの事務総長、ミスターサカキだ。
ホークアイズは他ハウスと比べても、問題の少ないハウス。
見守る、なんて普通の職員は考えないだろう。
サカキのことだ。何か考えがあるのだろう。
そんなことを考えていると、今回、合同捜査をする事件の詳細が送られてきた。
連続通り魔事件だ。
こういう事件は頭脳だけでなく、体力や武闘を求められることがある。今回ホークアイズが割り当てられたのは、彼らがネストの中でも随一の武闘派ハウスと言われているからだろう。
どこまで引き出せるだろうか。
今回は、通り魔事件。そんなに難しい事件でもないはずだ。
短時間でどこまで引き出せるだろうか。
加えて、相手の探偵は「千里眼」持ちらしい。
噂では指紋や、拭き取られた血痕、足跡まで見ることが出来るとかなんとか。
一瞬で解決されてしまうかもしれない。
かと言って、妨害するわけにもいかない。
『難しいなぁ』
部屋には誰もいない。少しくらい弱音を吐いてもいいだろう。そう思いながら、資料に目を通していく。
すると、また、何か送られてきた。集合場所と時間みたいだ。
ホークアイズの事務所に午前9時集合らしい。
わざわざ事務所集合にしたのはサカキのせめてもの計らいだろう。
移動時間を考えてもまだまだ時間がある。
この時間に出来るだけ仕事を進めておこう。そう思い、また、資料に目を通し始めた。