第2章 私にはない絆
『——それから、いろいろあって、何度か新しい記録者を迎えたりしましたが結局どの記録者ともあまり上手くいきませんでした。』
そこまで一気に話し終えて、私は小さく息を吐いた。
視線を空から落とすと、いつの間にか、隣を歩いていた瑠衣さんも、前を歩いていた仁さんも、杖道さんも、足を止めて私の方を振り返っている。
『……あはは、なんか暗い話になっちゃいましたね。すみません!』
私は慌てて、笑顔をつくった。
だが、そんな私の無理な笑顔を見透かしたように、瑠衣さんが顔を曇らせる。
「……ううん。ごめん、名瀬。気軽に聞いてごめんな。」
瑠衣さんはとても悲しそうな顔で私のことを見て、そう言った。
瑠衣さんとは会ったばかりだったけれど、——明るくて、真っ直ぐで、とても優しい心の持ち主なんだなと思った。
そんな心優しい彼にこれ以上、悲しい顔をさせないよう、私は言った。
『この話は今まで誰にも話したことはありませんでした。言うつもりも本当はありませんでした。でも、誰かに聞いて欲しかった。
だから、聞いてごめん、なんて言わないでください。』
『私の話を——聞いてくれてありがとうございました。』
私がそういうと、彼はニコッと笑ってくれた。それは、とても眩しい笑顔だった。
——仁さんと杖道さんは、そんな私達を優しく、見守ってくれていた。