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鏡の世界の×××

第6章 雑用係



「まったく……。そんなに身構えなくても、学内整備などの雑用をこなしてもらうだけです。貴方は見たところ掃除の腕はなかなかのようですし」
「あらー、恐れ入ります」

ここから扉が開けっ放しになっていた談話室の中を一瞥し、多少なりともマシになった部屋を覗いての決定だったようだ。
床を掃いて、ひっくり返っていた机とソファを起こして位置を整えただけでも かなりマシに見える程度には、この寮が荒れ果てていたおかげでもある。

とはいえ、こうして自分がしたことを褒めて認めてもらえるのは、とっても嬉しい。

素直に喜んではにかむ私を「やれやれ」と見下ろす学園長先生は、改めて私とグリムちゃんを指して告げた。


「ひとまず2人1組で『雑用係』はいかがです?」


そうすれば特別に学内に滞在することの他に、元の世界に帰るための情報収集や学習のために図書館の利用なども許可してくれるそうだ。

至れり尽くせり――とは、ちょっと違うかもしれないけれど、ある程度の学園内での行動の自由を確立してもらえたのは僥倖だ。

一連の条件を纏めた学園長先生は、今日だけでもう何度も聞いた、お決まりの「私、優しいので」と言葉を締める。

仮面の目元で光る金色が期待を込めて向けられてきた。
私がまた笑顔で賛美するのを待っているらしい、そのお顔に向けて、私はまたもや困った視線を送る。

それは、「ただし仕事が終わってから、ですよ」と条件を付けられたことに対してではなく、もっと根本的な……。
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