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鏡の世界の×××

第6章 雑用係



「屋根のある建物を与えて下さっただけでも、とっても有難いです。何かお手伝いすることがあるなら、もちろん構いませんし、頑張りますけど……。でも、支払いってどうすればいいんでしょう?」

私が見ての通りの無一文なことは、既に図書室でも確認済みだ。この式典服は学園のものだし、売ることだって出来ない。

となると……んー、臓器?とか?

一応、健康体ではあるけれど、肉付き自体はそんなに良い方じゃないから、そこだけが心配ねぇ。
そもそも臓器って、おいくら位で売れるものなのかしらー?

自分の臓器の相場について生まれて初めて思い悩んでいると、その姿が愉快なのか、学園長先生は意味深に笑んでいる。
仮面のせいか、そのミステリアスなビジュアルによく似合う妖しい笑顔だった。

「手ぶらの貴方が差し出せるものと言ったら……ふふ、そうだ。こうしましょう」
「はい、臓器売買ですねー」
「そうそう、健康な若者の臓器を売ってお金に……しませんよ!?まったく、いきなり無邪気な笑顔で何てことを言い出すんでしょうか、貴方って人は!さんざん私を教育者の鑑だと褒めておきながら、平気で臓器売買させる大人だと思われていただなんて心外です!そんなことはしませんよ!私、優しいので!!」
「あらー?じゃあ、一体なにをすればいいんです?」

今まで聞いた中で渾身の「私、優しいので」だった。
学園長先生があんまりにも必死になって否定するからアテが外れた私は、他にお金に換えられるものがないと眉を下げる。

指……は、確かお詫びのときに切るものだった気がするから指もダメねー。

私がそう呟くと「どうしてすぐそう物騒な考えに至るんですか!自分の身体を大事にしなさい!」と私の肩をゆさゆさ前後に揺するものだから、腕の中のグリムちゃんが「目が回るんだゾ~~!」と文句を言っていた。

あらまあ、グリムちゃん大丈夫?
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