第6章 雑用係
落ち込むグリムちゃんの頭を撫でながら、私も眉を下げる。
どうやら一筋縄ではいかなかったらしい。
グリムちゃんの入学が難しい気配を察して、私も少なからず――否、それなりの落胆が肩に降り積もっている。
やっぱりそうよね、と思う気持ちがなかった訳ではないけれど、寮を火の海にしてまで入学のチャンスを獲りにいった身からすると、残念な気持ちが勝るものだ。
まあ、冷静に考えてみれば――そもそも入学のチャンス云々は、グリムちゃんをやる気にさせるための方便でしかなくて、学園長先生は一言も言ってなかったものねぇ。
私が自分で勝手に言い出したことなのに、すっかりその気になってしまっていた。
反対に私の処遇に対しては、特に落胆する部分はない。
どころか、学園長先生の言い分にはむしろ賛成だ。
いつ元の世界に帰れる保証が生まれるのか――その具体的な時間が明確でない分、何もせずにこの寮に閉じこもりっぱなしでいるのは忍びないもの。
世の中には、"働かざるもの食うべからず"という言葉もある。
何かさせなくては、と役割を先んじて与えてくれようとする学園長先生の考えは、むしろ有難かった。
居場所を自分で確立させることは、とても大事なことだものねー。
そして、学園長先生は徐に腕を組み、真剣な声色で条件についてをこう語った。
魔法のない異世界から私の魂を呼び寄せてしまったことに関しては、闇の鏡を所有する学園にも責任の一端はあるので、当面はこの寮――通称『オンボロ寮』――を無料で提供すること。
ただし、衣食住については自分で支払うこと。
内容に関しては、概ね理解できた。
待遇にも条件にも何も文句はないのだけれど、強いていうなら"問題"がある。