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鏡の世界の×××

第4章 ゴースト退治



「ふぎゃっ!また水が降ってきた!オレ様のチャームポイントの耳の炎が消えちまう~!」
「たいへんっ。すぐにバケツを探してこないと」

どこかにあるかなあ、と言いながら立ち上がった私を不思議そうに見上げて、こてんと首を傾げるグリムちゃん。
その愛らしいフォルムのおかげで、完全にぬいぐるみにしか見えない。

やだ、とってもとっても可愛い……っ。

「こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえばいいんだゾ」
「私、魔法使えないのよー。だからパパーっと直せないわー」

闇の鏡さんも私に魔力はないって断言してくれてたでしょう?と鏡の間での選別を思い出すよう促せば、そういえばとグリムちゃんもお目目を丸くさせる。

ね?と膝を折って苦笑を向ければ、グリムちゃんは魔法が使えない私のことを最初信じられないものを見る目で見た後、すぐに「ププーッ!」と笑いものにしてきた。

魔法が使えることが当たり前な人たちからすれば、もっともな意見だ。

ここではきっと魔法で何でもできるからこそ、箒で掃除をしたり、雨漏りをバケツで受けたりする私は、きっとずいぶん不便そうに見えているのだろう。
私だって、逆の立場なら「大変ねー」と思ったに違いない。

「使えねえヤツだゾ!」
「そーよ。だから魔法が使えるグリムちゃん、手伝って」
「え?手伝えって?やーなこった!オレ様はちょっと雨宿りしてるだけの他人(他モンスター)なんだゾ」
「他モンスターって」

なぁにそれ、と思わず笑ってしまう。

どうやらグリムちゃんは狸でも猫でもなく『モンスター』という括りに分類されるらしい。
なるほどー。
それなら、こうしてお喋りができるのも、魔法が使えるのも納得できる気がする。

曰く、私のヘルプミーによるタダ働きの申し出は、ツナ缶で補えるみたいだった。

うーん、あげたいのは山々なのだけれど、こんな食べる物も碌になさそうな寮にツナ缶なんてあるのかしらー。
そういえば私の食事だって、どうするのか決まってなかったわねぇ。

雨漏りといい、元の世界に戻る以前の前途多難を目の当たりにして、頬に片手を当てて唸る。

困ったわねー……。
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