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鏡の世界の×××

第2章 入学式



「アズール、下がれ!――――『首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)』!!」

リドルくんは、持っていたスティックをグリムちゃんに突き付けるようにして振り下ろした。
同時に魔法の呪文らしきものを叫んだ声が凛然と響く。

何て言ったのかはわからないけれど、リドルくんが明らかに先程までの光を飛ばすだけの魔法と異なる魔法を使ったことはわかった。

事実として、グリムちゃんの首には、いつの間にかハートの形をした赤と黒のツートンカラーの首輪が嵌められている。

すると、最大威力の炎を吐き出すはずだったグリムちゃんは、何故だか空っぽの息しか出せなかった。
あの首輪のせいで首が絞まって炎が出せなくなってしまったのかしらー……。

よく見れば、耳から出ている青い炎もさっきまでメラメラと元気に燃えていたのに、今はすっかり萎れたように弱々しく揺れてしまっている。
グリムちゃん自身も何が何だかわかっておらず、首輪を外そうともがいているけれど、びくともしていないようだった。

「ハートの女王の法律・第23条『祭典の場に猫を連れ込んではならない』――。猫であるキミの乱入は重大な法律(ルール)違反だ。即刻退場してもらおうか」
「オレ様は猫でもねぇ~っ!!」

猫……。なるほど、猫。
狸だとばっかり思っていたけれど、猫といわれたら確かにそうかもしれない。

当のグリムちゃんは、どちらも全否定しているけれど。

そういわれたら今のグリムちゃんは首輪というよりは、エリザベスカラーをされた猫ちゃんのビジュアルに近い気がしてきた。

否定と共に首輪も燃やそうと試みたグリムちゃんは、やっぱり炎が一切出せないことに困惑して目を白黒させている。
魔法をかけたリドルくん曰く、学園からつまみ出される頃には外れているらしい。
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