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鏡の世界の×××

第2章 入学式



「――――さ、これで入学式と寮分けは終わりかな?」

どこからか聞こえてきた男性――否、少年の声。
いくつかのグループに分かれて並んでいる生徒さんたちの一番前、部屋の奥に位置する場所から聞こえてきた声によって、入学式が今し方終了してしまったことを悟る。

はやくはやくと学園長先生に急かされてきたけれど、どうやら間に合わなかったらしい。

あらー、残念ねー。
せっかく魔法使いの学校に新入生として入るっていう設定なのだから、ちゃんと入学式にも出席してみたかったのだけれど……。

諸々の事情があったので仕方がないとは思うものの、せっかくのチャンスを知らず棒に振ってしまったことや、迷子の生徒を探すという手間を学園長自らに掛けさせてしまったことを思うと罪悪感が胸を過る。

「すみません」と私が謝罪すると「まあ、いいでしょう」と、妙にあっさりした様子で首を振られる。
学園長先生的には、私が式に間に合わなかったことに対しては凡そ想定内だったらしく、間に合えば御の字だった程度に捉えているらしい。

「それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら?式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」
「『職務放棄……』」

入学式が終わったからか、めいめい声は潜めているものの、それが連なれば立派なざわめきとなった室内の中で、はっきりと通る声がまたしても部屋の奥から聞こえてくる。

どうやら新入生たちの前に目立つようにして立っている生徒さんたち――彼らは、それぞれのグループを纏めるリーダー的立ち位置の人らしく、学園長先生の行方について話しているのもその人たちみたいだ。

「腹でも痛めたんじゃないか?」

その中の一人、ターバンを巻いた褐色肌の生徒さんが学園長先生の不在に対し、腹痛の可能性を提示していた。

直後、どこからか「フードを被れ」とお達しを受けたようだ。
「おっと、悪い悪い!」と、歯を見せて陽気に笑いながらフードを被り直すと、ターバンを巻いた銀髪が厳かな黒に覆われる。
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