第7章 異世界の朝
シャワー室から出てタオルで身体を拭き終わった後、ラックに置いていた服を手に取る。
この世界に来る前、私はパジャマを着て寝ていたのだけれど、いつの間にかこの学園の式典服に身を包んでいた。
もちろん、着替えなど持っているはずもない。
異世界に飛ばされたのだから、荷物そのものがないのだ。
幸い、着替えについては学園長先生が用意してくれていた。
式典服しか持ち合わせがないと知った学園長先生が、学園の生徒たちが体力育成の授業で着用するという『運動着』を、私の作業着として用意してくれたのだ。
厳密には私は学園の生徒ではないから、あくまでも作業着として貸し出してくれただけということを示す為なのか、胸元に縫い付けられたネームタグには『ゴーファー』という文字が綴られていた。
『雑用係』という意味だ。
わかりやすくて良いわねー。
黒を基調とした運動着は、学校指定のジャージというには随分と機能的で、とてもスタイリッシュなデザインをしていた。
一見するとツナギみたいだけれど、実は上下が分離式の構造をしているタイプだ。
上着と腰から下の衣服は単純な一体型ではなく、ファスナーによって着脱と分離が可能になっている。
つまり自分の好みで、袖やズボンの長さを変えることが出来るということだ。便利ねー。
雑用係として作業をするから上は半袖にしたけれど、下に長袖のインナーシャツを着ているから肌の露出はほとんどない。
偶然か、それとも学園長先生が選んでくれたのかわからないけれど、白と黒の細いボーダー柄のインナーは図らずもグリムちゃんのリボンの柄とお揃いになっていて、ちょっと嬉しかった。