第8章 お見合い
ふと、モール内のお店に飾ってあるウエディングドレスを見て、透さんが急に悲しそうな顔であやまった。
「さん……式を挙げれなくて本当にすみません。」
「え?どうしたの?そんなの、わかってたことだから…。」
「でも、ご家族やご友人に祝ってもらいたかったでしょう?」
「うん。」
「ふふ、正直ですね。」
「嘘は言えないなぁーと思って。でも、式を挙げられる人と結婚したいわけじゃないの。私は、透さんと… あなたと、結婚できることが一番の幸せだから。そっちの方が断然優先。透さんも、友人や仲間に祝ってもらいたかったんじゃない?」
「……ぶれませんね、さんは。本当、そういうところが好きですよ。」
「えへ。惚れ直した?」
「惚れさせられっぱなしです。」
「へ!? あ、はい… どうも、ありがとう…ございます……」
「ふふっ。自分できいておいて、なんで照れてるんですか。」
「『何言ってるんだよ』ってつっこむかなって思って…?」
「それを言うのは、僕じゃないのでしませんよ。」
「たしかに…!」
「明日、でしたっけ?」
「ん? あー…うん、明日だね。」
「美容院行ってきたんですね。髪色、似合ってます。」
「あー…うん、ありがとう。」
「わざわざ綺麗にしてから行くなんて、何だか妬けちゃいます。」
「こ、こわいです!いっそもうはっきり怒ってくださいっ!」
「怒りませんよ?仕方ないんですから。」
にこにこと笑う透さんがこわい。
というより、怒らせた状態のまま零くんに戻ったときが怖い。
私にできることは、全力でご機嫌を取ることのみ!!