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ずっと前から (降谷零/R18)

第12章 それで十分 ※



「あと、遅くなってすまない。
こんなタイミングで渡すべきではないんだが……」

そう言って、一緒に選びに行った婚約指輪を見せてくれた。

「ううん、嬉しい。
私たちは必ずしも明日も一緒にいられるとは限らないから、今できることを後回しにせず、後悔しない日々を生きていきたい。
零が帰ってこなかったときに、やっとそのことに気付いたの。
注文していた指輪も、もう…零からは受け取れないんじゃないかとさえ思った。
だから、ありがとう。」

そう言うと、零は私の左手をとり、薬指に指輪をはめてくれた。

センターのダイヤモンドは、桜の模様が浮かび上がるよう繊細にカットされていて、とても美しい。
警察官としての誇りを強く持つ、零のようで。


「桜……零をつけてる気分になれるね。」


「幸せにするよ。必ず。僕と結婚してよかったと最後のときまで思ってもらえるように。」


「ありがとう。私も、零を幸せにするね。私と結婚してよかったと思ってもらえるように、たくさん笑わせてあげる。」



――――…淳くん、
助けられなくて、何もできなくてごめんね。
私は、あのとき淳くんから元気をもらったのに。
あなたが違う道を歩んでいたら、
きっとこんな最後ではなかったのに・・・



【それで十分】

fin

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