第8章 お見合い
「わ!このピアス、繊細なつくりですごく可愛い!」
「さんに似合いますね。買いますか?」
「うん、買っちゃおうかな。あんまり見ないデザインだしもう巡り会えないかもだから。」
「じゃあ、それは僕からプレゼントさせてください。」
「え!?いいよ、自分で買う!それでなくても透さんには色々お世話になりっぱなしだから…!」
「さん、婚約者なのに『お世話になる』と考えるのはやめてください。頼って欲しいと伝えたはずですよ。」
「あ……じゃあ、お言葉に甘えて…。透さん、ありがとう。」
「いえいえ。いつもあまりデートの時間が取れない後ろめたさもあるんです。すみません。」
「一緒に出かけられなくても、お家で少しの時間でも会えたら私は幸せだよ?透さんは?」
「……欲がないですね、さんは。僕も、少しでも顔が見られたら幸せです。」
「ふふっ。私、欲まみれだよ、自分でも嫌になるほど。だって……」
こっそりと耳打ちする。
「本当は夜中にきて、抱くだけ抱いたらまたすぐ仕事に行っちゃうのが寂しいから。」
「…ふっ。悪かった。勝手だったな。」
小声であやまられて、二人でくすくす笑った。
たぶん急に呼び出しが入ったんだと思うけど、やっぱりソレだけしてどこかに行っちゃうのはそこそこつらい。