第8章 お見合い
「透さん、今日はこのあとまたお仕事ですか?」
「いえ。今日はもう休みです。どうされましたか?」
「じゃあ、今日はずっと一緒にいられますか?」
「……すみません。もう一回、言ってもらえますか?」
「はい?」
「聞こえなかったので。」
いや、聞こえたでしょ絶対!とつっこみたい気持ちをぐっと堪えてご機嫌を取る。
「今日は、ずっと一緒ですか?」
「さんが望むなら。」
「くっ……!お願いしますっ!」
「……なにを堪えてるんですか、それは。雰囲気も台無しですよ?」
「透さんのイケメンが過ぎて、ちょっと心臓がギュッてなっただけ。今のセリフと顔、私ももう一回いいですか? 『望むなら』ってとこを甘い顔で。」
「今日はさんが僕の機嫌を取ってくれるのかと思ってましたが……でも聞きたいなら後ほど二人きりのときに。」
バレてた!!機嫌取ろうとしたのふつうにバレてた!!
「僕の部屋か、さんの部屋、どちらがいいですか?」
「透さんの部屋がいいですっ!」
「うーん…すみません、やっぱりさんの部屋でもいいですか?」
「え?いいけど…どうかしたの?」
「僕の部屋は壁が厚くないので。」
「ひぇぇ…そ、それはつまり!」
「ふふっ。楽しみですね?ご機嫌、取ってもらえるようなので。」
「誠心誠意がんばります……!あ、でも不器用なのでそのへんはごめんなさい。」
「なにについて不器用なんです?」
「あー…いろいろですいろいろ。」
「もう少し詳しくお願いします。じゃないと、苦手なことをお願いしてしまうかも知れませんので。」
「んんっ、今はちょっと。もしお願いされたときに伝えます。」
「……早く帰りましょうか。」
なんかめちゃくちゃ嬉しそうだなっ!
夕飯用に食材を適当にかって、零くんの車に乗りこんだ。