第6章 温泉旅行 ※
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動けるようになったら脱ぎ散らかしていた浴衣を着直し、身なりを整えた。
お部屋に食事を運んでもらい、食前酒を口にする。
「零くんとお酒飲むの、はじめてかも。」
「たしかにそうだな。一緒に飲んだことはないかもな。いや、警察学校のときに…」
「合コンのとき?あのとき私は飲んでなかったから。なんか新鮮だね。ちょっとだし酔いもしないけど。」
「呑むか?」
「ううん、今日はやめておく。テンション上がって何言い出すかわかんない。
それに、一緒にお酒を呑むのは、次のお楽しみにとっておきたいな。」
ふと、今日のことを写真に撮りたくなったけれど、撮らせてはくれないから、せめてしっかり記憶しておこうとじっと零くんを見た。
「なんだ?そんなに見つめて。」
「んー?写真の代わりに今日の零くんを記憶に焼きつけておこうと思って。」
「すまないな、何も残してやれなくて。」
零くんは少し切なそうに笑った。
「ほんと。こんなイケメンを写真に残せないなんてつらいね。おじいさんとかになったとき『昔はかっこよかったんだぞ〜』って話になっても物証が出せないよ?」
「はははっ。やめろ、どんな想像してる。」
「しっかり記憶に焼き付けたから、今日の零くんの姿、忘れないよ。零くんの若かりし頃のかっこいい姿は、私が伝えてあげる。」
「ふっ。どちらにしても物証にならないじゃないか。まぁ……僕も、今日のの姿を忘れずにいるよ。」
「ふふっ。ありがとう。」
「さっきのの可愛いおねだりもしっかり記憶に焼き付いてるから。ぐちゃぐちゃにとろけて僕を欲しがる顔はたまらなかったな。」
「そこは消せっ!他のに上書きして!」
「永久保存しておくよ。」
「もう忘れてほんとにっ!寝ながら始めた零くんのせいでしょ!!!」