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ずっと前から (降谷零/R18)

第6章 温泉旅行 ※





動けるようになったら脱ぎ散らかしていた浴衣を着直し、身なりを整えた。

お部屋に食事を運んでもらい、食前酒を口にする。

「零くんとお酒飲むの、はじめてかも。」

「たしかにそうだな。一緒に飲んだことはないかもな。いや、警察学校のときに…」

「合コンのとき?あのとき私は飲んでなかったから。なんか新鮮だね。ちょっとだし酔いもしないけど。」

「呑むか?」

「ううん、今日はやめておく。テンション上がって何言い出すかわかんない。
それに、一緒にお酒を呑むのは、次のお楽しみにとっておきたいな。」


ふと、今日のことを写真に撮りたくなったけれど、撮らせてはくれないから、せめてしっかり記憶しておこうとじっと零くんを見た。

「なんだ?そんなに見つめて。」

「んー?写真の代わりに今日の零くんを記憶に焼きつけておこうと思って。」

「すまないな、何も残してやれなくて。」

零くんは少し切なそうに笑った。

「ほんと。こんなイケメンを写真に残せないなんてつらいね。おじいさんとかになったとき『昔はかっこよかったんだぞ〜』って話になっても物証が出せないよ?」

「はははっ。やめろ、どんな想像してる。」

「しっかり記憶に焼き付けたから、今日の零くんの姿、忘れないよ。零くんの若かりし頃のかっこいい姿は、私が伝えてあげる。」

「ふっ。どちらにしても物証にならないじゃないか。まぁ……僕も、今日のの姿を忘れずにいるよ。」

「ふふっ。ありがとう。」

「さっきのの可愛いおねだりもしっかり記憶に焼き付いてるから。ぐちゃぐちゃにとろけて僕を欲しがる顔はたまらなかったな。」

「そこは消せっ!他のに上書きして!」

「永久保存しておくよ。」

「もう忘れてほんとにっ!寝ながら始めた零くんのせいでしょ!!!」


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