第6章 温泉旅行 ※
夕食前にお風呂に入ろうということになり、二人でお部屋の露天風呂に入った。
さっき宣言した通り、お風呂でもぐいぐい迫ってくることもなく、まぁそれなりには大人しくしてくれている。
「すごいね、お風呂から富士山をゆっくり眺められるなんて贅沢。こんないいお部屋取ってくれてありがとう。」
「そんなに喜んでもらえると連れてきた甲斐があるよ。」
私は後ろから零くんに抱きつかれた状態でお風呂に浸かっている。
そして零くんは、私の首や肩に顔を摺り寄せてる。今度は甘えモード?景色見ないの?零くんの心理状態がわからない…!
「なんかペット飼ってる気分になる。」
「…ご主人様って呼ぼうか?」
「えぇ!?いいの!?零くんと主従関係で、しかも私が主の方!?逆じゃなく!?そんな設定もありなの!?」
「無しだ。」
「ふふっ。期待させないでよ。」
「はそういう趣味だったのか?」
「ちょっと真面目にきかないで?ごめん、まったく無いから。のっただけ。呼ばれてもどうしていいのかわかんない。」
「僕はどちらかというと主の方だろうけど、は僕に従ってはくれなさそうだな。」
「うん、私も自分がそうなるところ想像できない。ふふっ。」
「支配させてくれないタイプか。」
「どうだろ。支配したかった?」
「したいわけじゃないが、しようとしてしまうところはあるかも知れない。独占したいのは確かだな。」
「零くん」
「んー?」
「ちょっと触りすぎ。落ち着けない。」
「あぁ、悪い。触り心地がよくてつい。」
後ろを振り向き、零くんの顔を探るようにじっと見つめる。
まったく分からない。
表情から何も読み取れない。
「どうかしたか?」
と、聞いてくることさえも違和感がある。
なーんかいつもと違う。
見た目よりも結構疲れてる…とか?
「ううん、なんでもない。のぼせちゃう前にあがろ?」