第1章 【もう一度、君に恋をする】
二度目の恋
「……ずるいよ。」
「何がです?」
「そんな顔で言われたら……」
零が少し笑った。
「嫌ですか?」
「……嫌じゃない」
「よかった」
その声が、昔と同じだった。
優しくて、少しだけ甘い。
「」
突然、名前を呼ばれた。
七年前は呼ばれなかった。
胸が跳ねる。
「……なに?」
「僕と付き合ってください。」
真っ直ぐだった。
「今度こそ。」
「……はい」
その瞬間、零くんは、ほっとしたように目を閉じた。
そして、の手を強く握った。
その手を握り返し、
「……ふふっ。七年もかかっちゃったね。」
と言うと
零くんが笑って
「では、これから七年分も合わせて大切にします。」
「そんなにできる?」
「できますよ。」
「自信満々だね。」
「七年前からずっと、好きだったので。」
顔が熱い。一気に赤くなるのが分かった。
「自分から離れておいて、どうしても忘れられませんでした。再会したとき、もう二度と手離したくないと思ったんです。
「零くんが甘い……」
「恋人になったので、いいかなと。」
零くんは嬉しそうに笑った。
七年前、彼は私を守るために、手を離した。
でも今は、しっかりと手を握っている。
今度こそ君を逃さない、と言うように。