第4章 見てはいけないもの
「……零くん」
「ん?」
「ごめん」
「謝らないでくれ。僕が悪いんだ。許してほしい」
「うん。許すよ」
「私いま、自分の心の狭さに打ちひしがれてる。誤解なのにすんなり許せず、零くんからの誠意を実感しようとした自分が情けない。」
「……に嫌な思いをさせたのは事実だろ?」
「梓さんとの三角関係と職場恋愛の浮気を妄想したあと、零くんのこと『浮気するイケメンクズ男』って心の中で罵りながらヤケ酒のんでた私を怒っていいよ。」
「……ふっ。くっ……まて……何をいきなり真剣に言ってる?」
「かろうじて声には出さなかったけど、浮気するイケメンクズ男だなんて思われたなんて心外でしょ?なんだそれって怒っていいよ。」
「、本当に、どんだけ潔いんだよ……くくっ。三角関係と職場恋愛の妄想って、お前…っ、なんだそれ……どうせもとから妄想してたんじゃないのか?くくっ……無理だ!はははははっ!」
「あ、ばれた?すごいね!探偵さんには何でもお見通しで照れちゃうな。」
「浮気するクズ男も、それはの妄想の中なんだから、僕に許しを乞う必要もない。もう好きに妄想してくれ。ただ、妄想で僕を怒るなよ?」
クスクスと笑いながら言う。
「あのね、零くん」
「ん?」
「私、零くんと付き合ってからどこかにお出かけしたことあったっけ?」
「……ごめん、ない。」
「会うのは、私の家か、零くんの家か、ポアロか……迎えに来てくれたときの車の中くらいだもんね。」
「……ああ」
「梓さんと腕を組んでたね?」
「いや……まぁ。梓さんではないけど、組まれてたな。すまない」
零が気まずそうに視線を逸らす。
「私、外で零くんと手を繋いだり腕を組んだりしたことあったっけ?」
「……ごめん、ないかも」
「あ。でも腕を掴んだり引っ張られたことはあるか。まぁ、それは仲良く腕を組んだ、とは違うけどね?」
「……そうだな」
「いちゃついてるとこ見せつけられちゃったなぁー」
「……あれは、ベルモットの、梓さんに対する認識が少しズレていたみたいで……悪かった」