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ずっと前から (降谷零/R18)

第4章 見てはいけないもの


「こんな状況で付き合っているのに、矛盾していると思う。でも……組織のことには、を巻き込みたくなかった」

「……」

「奴らは平気で人を殺める。一般人だろうと関係ない」

その言葉に、背筋が冷たくなる。

「だから、をただのポアロの常連客の一人として扱って、奴らが興味を持たないようにしたかった。」

「は仕事で外出することが稀だから、平日の日中は会社にいるだろうと油断していた。まさか会うとは思わなくて……何の説明もなく、嫌な思いをさせて悪かった」

そして、真っ直ぐに私をみた。

「……許してくれないか?」

「…………」


何か言わないと。
不安にさせたくない。
でも、何を言えばいいのか分からない。

「あ……の……」

口から出たのは

「……いつから、マンションの下で待ってたの?」

だった。

「…………」

零くんも固まる。

今、それ?って、自分でも思った。

私、何を聞いてるんだろう。
パニックになると、本当に会話が噛み合わなくなるんだ。
それとも、現実逃避?

けれど、零くんは何も突っ込まなかった。
ふっと微笑んで答える。

「んー……一時間くらい前、かな」

「……一時間?」

「車の中で待っていた。が歩いてくるのが見えて、そこで出てきたんだ」

「…………」

嘘だ。

留守番電話の『今から家に行く』は、もっと前だった。

私が帰ってきたのは11時を過ぎていたんだから。

3時間はたってる。ここで待っていたか、会社や駅の近くを探していたのかも知れない。

電話にも出ないし、メッセージにも反応しない。
それでも、誤解を解くために。
仕事でつかれてるのに……

そこでようやく気付いた。

自分がなんでいきなり『いつから待っていたのか』なんて聞いたのか。

パニックになったわけじゃないし、
現実逃避したわけでもない。

許す理由を探したんだ…。
零くんからの誠意を、実感したかったから聞いたんだ。

自分が恥ずかしい。
誤解なんだからすぐに許せばいいのに、心の狭さが嫌になる。
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