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ずっと前から (降谷零/R18)

第4章 見てはいけないもの


零くんは、少しだけ優しい顔になって、触れようとした私の手を取り、自分の頬に触れさせた。

胸がぎゅうっとして温かさがじわっと広がるような感覚になった。


「……愛おしいって、こういう気持ちなんだね……あなたに会うまで知らなかったよ。こういう感情」

零くんが嬉しそうに笑って、
頬に触れる私の手を、今度は唇に持っていき、指にキスをした。

「……。どうしていいか分からない。」

「なに、が…?」

「怖いんだ。に誤解されているんじゃないかと思うと、不安でたまらない。お願いだから、僕を捨てないでくれ……」


「……ふふっ。ほんとずるいんだから。」

零くんから溢れ出る色気に加えて、あなたの心の不安定さに弱い私の性格を、よく分かってる。

「そう言われると、断れないよ。」



部屋に入り、キッチンへ向かった。

「とりあえず、コーヒーでも……」

「僕が淹れるから、は座っていてくれ」

「でも……」

「水だけ先に飲んで」

有無を言わせない口調。

差し出されたグラスを受け取った。

「……ありがとう」

心臓が飛び出すほどびっくりしたおかげで、もうそんなに酔ってはないけど。

零くんは慣れた手つきでキッチンに立った。

私はソファに座って言われたとおりお水を飲み、久しぶりにスマホをみた。

「……わっ!」

画面を見て、目を丸くする。
不在着信、留守電、メッセージがたくさん。
いつからスマホ見てなかったっけ…?

「……どれだけ焦ってたの……」

今さらながら胸が痛くなる。

留守番電話を再生する。

『どこにいるんだ。連絡してくれ。何かあったのか?』

『、嫌なら返事しなくてもいいから、既読だけでもつけてくれ。心配なんだ』

『今から家に行くから。話を聞いてほしい』


耳元から聞こえてくる彼の声を聞いていると、


「……零くんの声、好きだなぁ……」

ぽつりと零した。

匂いも好きだけど、声も好き。
耳元で聞く零くんの声は胸がぎゅっとなる。
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