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ずっと前から (降谷零/R18)

第4章 見てはいけないもの


そう言いたくなった。
でも、耐えた。
今ここでそんなことを言ったら、話がこじれる。

それに、やっぱり嫌われるのは嫌だった。

「はは……そうかも」

乾いた笑いが漏れる。

「酔ってるみたいだね、私」

零くんは何かを言いかけて、やめた。

そして、静かに尋ねた。

「……話したいことがある。部屋に入ってもいいか?」

やっぱり。
そうなるよね。
でも今は話したくない。

酔ってて自制がきかない分、酷いことを言ってしまうかも知れない。
そんな自分を見せたくない。

「……あ、ごめん。
今日はちょっと……私、すごく酔ってるし。今度でいいかな?」

自然に笑って答えた。
たぶん。

「せっかくここまで来て待っててくれたのに、ごめんね?」

と、だめ押しのお断り。
ちゃんとにっこりしてる。はず。
たとえ上手く笑えてなくても酔ってるせいってことでいけるはず!!

零くんが私の顔をじっと見る。
やめて?本物の警察官にそんなに見つめられたら何かしら取り繕ってるのがバレそうでドキドキする!
今はイケメンでドキドキより、冷や汗が出そうな方のドキドキ感。

そして、零くんは苦しそうに息を吐いた。

「……すまない」

「ん…?」

何であやまられた?

「昼間のことを、説明させてほしいんだ」

いやーーーー!!!思い出したくない!そうだった!!
昼間のことと言われ、ドキッとして顔を上げて目を合わせてしまった。

表情を読まれるのがこわくてまた視線を逸らしておく。
うん、私完全に挙動不審だ。

「嫌なものを見せてしまったことを謝りたい。頼む。少しでいいから……僕の話を聞いてくれないか」

え?なんて言った?
さっき『説明』っていった?
いつもぜったい情報開示しない公安様のくせに?

零くんが言ったことを何テンポか遅れてやっと理解してきた。

説明しようという気持ちがあることに驚いて、零くんの目をじっと見る。

綺麗な瞳。必死で真剣な顔。でも少し不安そうにしてる。


「きれいだね……」

思わず手を伸ばして触れそうになったところを、零くんの声で我にかえる。

「……?」

「え?あ。えぇ!?ごめん!酔ってるからかな!?何してるんだろ私!ぼーっとしてた!」

目を見たせいか、惹き込まれて好きが溢れてたのかも知れない。
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