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ずっと前から (降谷零/R18)

第4章 見てはいけないもの




気がつけば、夜十一時。

「そろそろ帰ろっか〜」

「えー帰りたくない!詩織ともっと一緒にいたいー!めっちゃ好き!泊まりにきて飲もう!!」

「あはは!ほんとは飲むと陽気になるねー!でもそれは彼氏に言ってあげなー?」

うっ…!やめてまた記憶がっ!!飲んだって忘れやしない。
詩織に軽くあしらわれ、帰ることにした。

「じゃあ、またねー!」

「うん。また行こうね!気をつけて帰って。」

「それはの方だよ〜!いつもより飲んでるから、変な人に絡まれないようにね!」

手を振って、それぞれの駅へ向かった。

楽しかったような。悲しかったような。
いろんな感情が混ざって、もう自分でもよく分からない。

「はははっ…飲んだって意味なし、かぁ。」
ぽつりと零した。


最寄り駅からマンションまでは、ほんの数分。

いつもなら大嫌いな暗い道が、今日は妙に落ち着いた。
何も考えずに歩けるから。

もう少しでマンションに着くところで、

「――!」

「ううっ……!」

突然、腕を掴まれ、悲鳴を上げそうになった。
心臓が激しく鳴る。
身体が震える。
膝から力が抜けそう。

「すまない! 驚かせた!」

聞き慣れた声がした。

「……はぁ、はぁ……零、くん……びっくり…した……おどろかせないで……心臓が止まるかと……」

「悪い、急に掴んだりして…大丈夫か?」

どうにか心臓を落ち着かせた。

「何度も電話したんだぞ」

その顔には、明らかな焦りが浮かんでいた。

「連絡がつかないから心配した。部屋に行ってもまだ帰ってないようだったし……こんな時間までどこにいたんだ?」

次々と質問が飛んでくる。

やっと見つけたことに安堵しているのが分かった。

「え……あ、ごめん。友達と飲んでて、全然スマホ見てなかった。連絡くれてたんだね。今日来ると思わなくて……はははっ」

自分でも苦しい言い訳だと思った。
いつもなら、帰りが遅くなるときは連絡している。
零くんが突然来るのはいつものことだから。

零くんが眉を寄せた。

「……かなり飲んだのか?」


――私の勝手でしょ!
いちいちうるさく言わないで!
放っておいてよ!
なんでそうやって何でも干渉するの!?
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