第4章 見てはいけないもの
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会社へ戻ってからも、頭から離れなかった。
仕事をしていても、ふとした瞬間に思い出してしまう。
腕を組んでいた。
あんなに楽しそうに。
あんなに距離が近く。
そして、透さんはそれを拒まなかった。
イラっとした。『自分と別れてから次に行くのが筋とちゃうんかーーーー!!』って叫びたくなった。叫ばないけどさ。
「……はぁ」
定時になったら、今日はもう帰って寝よう。
そう思ったけど、
「~!」
背後から声がした。
振り返ると、同期の詩織が笑顔で立っている。
「今日、時間あったらごはん食べに行かない? 明日休みだし! あと聞いてほしいことあるんだ~!」
さっさと帰って寝ようと思ったから一瞬迷ったけど、むしろこんな日に一人で帰ったら、きっとずっと考えてしまう。
「いいね!行こう!ありがとう!!」
やや食い気味に誘いをうけた。
連れていかれたのは、会社の近くに最近できたイタリアンとワインの店だった。
おしゃれなのに気取っていなくて、二人で食事をするにはちょうどいい。
グラスを傾けながら、仕事の話やどうでもいい話をしているうちに、少しずつ気持ちがほぐれていった。