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ずっと前から (降谷零/R18)

第4章 見てはいけないもの





会社へ戻ってからも、頭から離れなかった。

仕事をしていても、ふとした瞬間に思い出してしまう。

腕を組んでいた。
あんなに楽しそうに。
あんなに距離が近く。
そして、透さんはそれを拒まなかった。

イラっとした。『自分と別れてから次に行くのが筋とちゃうんかーーーー!!』って叫びたくなった。叫ばないけどさ。

「……はぁ」

定時になったら、今日はもう帰って寝よう。

そう思ったけど、

「~!」

背後から声がした。

振り返ると、同期の詩織が笑顔で立っている。

「今日、時間あったらごはん食べに行かない? 明日休みだし! あと聞いてほしいことあるんだ~!」

さっさと帰って寝ようと思ったから一瞬迷ったけど、むしろこんな日に一人で帰ったら、きっとずっと考えてしまう。

「いいね!行こう!ありがとう!!」

やや食い気味に誘いをうけた。

連れていかれたのは、会社の近くに最近できたイタリアンとワインの店だった。

おしゃれなのに気取っていなくて、二人で食事をするにはちょうどいい。

グラスを傾けながら、仕事の話やどうでもいい話をしているうちに、少しずつ気持ちがほぐれていった。
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