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ずっと前から (降谷零/R18)

第1章  【もう一度、君に恋をする】


再会

「いらっしゃいませ」

その声を聞いた瞬間、頭の中で7年前の記憶がいっきに蘇った。

喫茶ポアロ。
仕事の昼休みに、たまたま立ち寄っただけ。店内にはコーヒーの香りが漂っている。

そして、

「お好きな席へどうぞ」

その声

その顔

「…………え?」

トレーを持った青年が、こちらを見ている。

金色の髪
日に焼けた肌
綺麗な青い瞳

七年前より大人になっている。
けれど、間違えるはずがない。

小さく名前を呼ぶ。

「……え、零、くん?」

ほんの一瞬、彼の動きが止まったような気がした。

驚いている……?

「……さん」

「なんで……?」

混乱した。警察官になったんじゃ?

「ここで、働いてるの?」

「えぇ」

……警察はやめたの?と聞こうとした瞬間、
零くんが遮るように

「ご注文はお決まりですか?」

と、営業スマイルを浮かべる。

まるで、その話をしては駄目だ、と言うように。

「あ、えっと……じゃあ、ハムサンドとミルクティーをお願いします」

「ふふ。変わっていませんね。
ミルクティー、お好きでしたよね。」

零くんが小さく笑った。
そして、周りに聞こえない声音で

「ここでは、“透”と呼んでください。事情はあとで。」

その事情はさっぱり分からなかったが、今は何も聞かず、無言で頷いた。

零くんは変わっていないように見えて、全然違う。
昔よりずっと大人になったし、あの頃よりずっと危険に見える。

零くんに対して、口に出してはいけないことを言ってしまわないように食事中は黙って、零くんの言いたい事情が何かを考えた。

7年前、零くんは
公安に配属され、危険な仕事をするし、周りの人間にも危険があると言っていた。

あのときは、考えたところでもう仕方がないと思って、何も考えないようにしていたけれど。


偽名を使っている。

考えた末の自分なりの答え。
もしかして、潜入捜査、なの……?


お店を出るとき、零くんに

「またいらしてくださいね」

と、笑顔で見送られた。

小声で

「あとで連絡します」

と添えられて。
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