第12章 それで十分 ※
零はゆっくりと身体ごと私に近付き、もたれかかった。それを支えようとした私の腕をやさしく静止して、“支えなくていい”と言うように少し首を振る。
背中に手が回され、零に支えられながら二人でソファに倒れ込んだ。
しばらく見つめ合うと、零がふっと笑う。
「……ここじゃ、嫌か?」
何のことだろうと考えると、少し前に玄関でしたあと、『あちこちで始めないで!』と怒ったのを思い出し、顔が熱くなった。
「…っ!場所よりも……怪我が…」
何だか今日は零の色気がすごい。
数日会わなかったから?
「僕の心配はいい。は…嫌か?」
返事をしないといけないのに、零を直視できない。
少し目を逸らして、
「…い、いやじゃない…。」
と絞り出したけど、その返事には不満だったようで
「……。僕を見てくれ。」
そう言って目を合わせるように強請られる。
「零が……かっこよすぎて…直視すると苦しい……」
「ふっ。は可愛すぎて、ずっと見ていたくなる。」
この状態が恥ずかしすぎる…!
「、言って?もう一度、ちゃんと僕の目を見て。僕を求めて、欲しがって。」
「……っ!」
「。早く触れたい。」
零は私の手を取り、指先にキスをしながら熱のこもった瞳で私を見た。
なんて言えばいい…?
どんな言葉がほしいの…?
その色気を抑えてくれないと、何も考えられなくてなかなか言葉が出てこない。
「。早く、“待て”を解いて。」
どんどん催促され、
「零……抱いていい?」