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ずっと前から (降谷零/R18)

第9章 記憶


「うぅぅ…。」

「あぁ。僕の匂いが好きなんだったな?優しくてまろやか、だったか?」

耳元でそう囁かれる。

「!!? な、な、なんで!?」

「が教えてくれたんだろ?あんなに積極的に。ククッ。いつも抱かれてるときに匂ってたのか?」

「ち、違うから!!ひぇぇ…もうどこかに埋まりたい……!!!」

「ははっ。僕の腕の中なら埋まってもいいぞ?ついでに匂いも堪能できるだろ?ほら。」

「もう……っ!ほんっとにからかわないでっ!!!」

零くんはくすくすと楽しそうに笑ってる。
夢の中(記憶がないあいだ?)でも私と言い合いしてふざけていた零くんは、どこか怒っているみたいだったけど、今はすごく嬉しそう。


「・・・言えなかったんだ。」

「え?」

また急に真剣モードに切り替えてきたな。トリプルフェイスの実力恐るべし。


「目を覚ましたとき、記憶が戻っていることに気付いたけれど、は記憶がなかったことも覚えていないようだった。
記憶を取り戻したばかりの不安定な状態でそのことを伝えたら、もしかするとまた元に戻ってしまうんじゃないかと不安になった…。
また、僕を忘れてしまうんじゃないかと怖かったんだ…。」

「あ…!ごめん、私、自分のことしか考えてなかった…。忘れられていた零くんがどれだけ不安だったか、考えたらわかることなのに…。」

「いや、いいんだ。すぐに言えなくて悪かった。それに、現実逃避して誘いに乗ったのも悪かった。何事もなかったかのようにして安心したくなったんだ……。」

「もしかしてそれであんなにやさしかったの?」

「ん?あぁ、激しくしてまた忘れるんじゃないかと思うとな。」

「そうだったんだ…。あんなの初めてだし、最初わけがわからなくて、零くんが疲れてて情緒不安定なのかなって思って…。
記憶がなかったってきいたあとは、もしかして忘れている間の私が零くんに何か、その…ことについて…言っちゃったのかもって…。」

「たとえば?」



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