第2章 君を心配するあまり
「……ん?」
「今さらだけどな」
零くんが苦笑する。
「僕もに一目惚れしたようなものだから、分かってるつもりだった。でも、実際にああいうのを見ると……」
言葉を探すように黙り、
「……腹が立つ」
「……」
「を見るなって。心配だったし、何かあったらと思うと怖かった。
もし僕が迎えに行かなかったらどうなってたか……あのままホテルに連れ込まれていてもおかしくなかった。」
「……まさかっ!そこまでは……」
「考えていたら、頭に血が上って」
「……うん」
「だから、あんな言い方した」
零くんは小さく息を吐いた。
「ごめん。心にもないこと言って、を責めた」
「……」
「悪いのは、じゃないんだ。」
そう言って、零は、申し訳なさそうに笑った。
「……ただ、が知らない男に腕掴まれてるの見たら、冷静じゃいられなかった。僕のに触ることが許せない。誰にも触らせないでくれ。」
「……ふふ」
思わず笑ってしまった。
「……何?」
「零くんが可愛い。」
「……は?」
「かっこいいのに可愛い。独占欲、だね。」
零が少しだけ目を逸らした。
「……悪いか」
「ううん。そういうところも好き。ありがとう。もっと見たい。零くんの独占欲と嫉妬心。」
「……おい。」
「ふふっ。私も、ごめんね。心配させて。これからはみんなが散り散りになる前に大急ぎで帰る。」
そっと、零くんを抱きしめた。
「……?」
「仲直り、したい。」
「あぁ。僕もだ。」
ゆっくり腕を回して、抱きしめ返してくれた。
「……本当に、無事でよかった」
「うん」
「怖かっただろ」
「うん……だいぶね。掴まれた腕を振り解く護身術とか教えて?ふふっ。」
「ん。そうだな。」
「あと逃げるとき早く走れる方法も。」
「それは運動しろ。」
「ふふっ、無理かぁ。」
零くんの手が、私の髪を撫でる。
抱きしめ合って、零くんの首筋に顔を近付ける。
零くんの匂い、好きだなぁ……。
優しくてまろやかで安心する。