• テキストサイズ

ずっと前から (降谷零/R18)

第9章 記憶


「…………この匂い、知ってる」

「え……?」

僕の首あたりから急に匂いを嗅ぎはじめた。

「ゆ、?」

「懐かしいような…いつも匂っていたような…そんな匂いがする。
優しくてまろやかで、すごく好きな匂い。」

「ははっ。まろやかって、なんだそれ。は僕の匂いが好きだったんだな。初めて知ったよ。」

「え!?うそっ!」

「そんなこと、の口から聞いたことなかった。こっそり匂ってたんだな。は……何を考えてるかわからないから。」

「ふふっ。記憶がなくなる前の私は、もしかして降谷さんに一目惚れした?」

「さぁ。それもきいたことはないな。でも、『無駄に顔が良い』とはよく言ってたよ。」

「顔が好みだったのはわかる。ふふっ。空港で会ったときびっくりした。こんなイケメンと付き合ってるの?って。」

「……なんだか最初に会った頃を思い出すよ。あの頃のは、こんな感じだったから。」

「じゃあ、最近の私はどんな感じだったの?」

「素が出てたな。僕の扱いも雑になってた。」

「えぇ!?こんなイケメンを雑に扱ってたの!?」

「あぁ。もうずばずば言ってたよ。でも、思いやりがあって強くて真っすぐなところは、最初からずっと変わってない。」

「……降谷さん、私のことすごく好きだったんだね。そんな顔して思い出すくらい。」

「あぁ。そうだな、愛していたから―――… 苦しくて、どうしようもないほどに。」

/ 193ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp