第9章 記憶
「おいおい。4歳の孫の発言を間に受けていたのか?」
すこし呆れながら笑っているが、親に内緒で同棲していたわけじゃなかったと分かり安心したようだった。
「降谷くん、変なことを言ってすまないね。」
「ふふっ。の彼氏にみんなテンション上がっちゃって。」
「いえ。かまいません。それで、さんは……」
「あ、あの!できれば住んでいた部屋に行ってみたい…です。なにか思い出せるかも知れないので…。」
「そうね。いまは、私たち両親といてもは落ち着かないと思うの。降谷さん、をマンションに送ってもらえるかしら?私と主人は寄るところがあるから大丈夫よ。」
そして、
「。面倒くさいかも知れないけどちゃんと毎日連絡してちょうだいね。会社にはしばらく休むことを伝えてあるから。
は好きなアニメでも見て美味しいもの食べてゆっくりしてなさい。そのうちふわっと思い出すわよ。
大丈夫、そんなに不安そうにしないで?
思い出せなくても、私たちはあなたのお母さんとお父さんよ。何があっても、あなたを守るわ。」
の母親は、そう言ってを抱きしめた。
は、父親の芯の強さと、母親の包容力、
その両方を受け継いでいたんだな―――