第8章 お見合い
「今日、来てくれてありがとう。仕事、大丈夫?」
「僕のことは、気にしなくてもいい。」
「うん…。」
「何があったのか、きいてもいいか?」
「何もないよ。少し、というか、結構、気持ちが疲れてたみたい。ははは…」
「ごめん…。」
「え!違うよ!零くんのせいじゃないからね?」
「いや、僕のせいでもあるだろ。」
「あ…う……いや、ど、どうだったかなー…」
「見合いが決まってから機嫌が悪い僕に、ずっと気を遣い続けていただろ。行きたくないのはも同じなのに。」
「あー…ははははは……」
無理だ、ごめん、フォローできない。おっしゃる通りです!
「ごめん、に甘えすぎてしまっていた。」
そう言って、テーブルに放置したままの私のスマホを取り、ロックを解除した。
え?ロックを解除した!?待って?なんでロック解除できてるの??当たり前のように!せめて隠れて解除しな?
もう面倒で何もつっこめない。そしてスマホも見たくない!まだうとましい!
零くんがなぜか私にスマホを渡そうとしたけれど、ふいっとそっぽを向いて拒否した。
「通知、大量だな。まぁ、半分以上は僕だけど。」
「教えないで!見たくない!!」
あ…思ったより強めに言っちゃった…。
「。何がしんどかった?」
「……全部。」
「全部がしんどくなる前だ。もう嫌だって思ったとき、何があった?僕がGPSを強要したからか?」
え?何があったっけ?どのタイミングで投げやりになったっけ?家に帰ってから急激に疲れたけど…。
GPSは昨日発覚して、確かにそれにも嫌だった。
「GPSも、嫌だった。」
「うん。」
「何でいるのか分からないし、居場所を知られて困ることは何もないけど、少し気持ちが悪い…。」
「わかった。解除しておくよ。」
「え!?いいの?」
「居場所が分かった方が僕は安心できるけど、それでがこんなふうになるなら、それは僕が求めてることじゃない。それに、今日みたいに結局スマホを放置してどこかに行ってしまったら意味がないし、余計に危険だ。」
「うん…。」
「あとは? GPSも、ということは、まだあるんだろ?」