第8章 お見合い
地獄のような空間からやっと解放(解散)され、ものすごく疲れた私はさっさとマンションに戻った。
スマホにメッセージが何件かきてるけど、疲れててもう何も見る気が起こらない。
どうせ父か母だし。私は疲れたから佐藤家には適当に断っておいてくれ!と願いながらスマホを放置した。
友人とおしゃべりしたい気分だけど、今はスマホの存在がほんとうに嫌だ。
見たくないから連絡もできない。
「しんどー…」
ひとりでぽそっと零した。
ずっと零くんのご機嫌を取って、昼からは両親に振り回され(せめて相手の情報おしえておいてくれっ!無駄に疲れた!)、お見合い相手に気を遣い、だいぶ疲弊してしまった。しかも昨日から零くんに何度も付き合ってたせいで腰も背中も痛い。
なんだか涙が出そうになった。
「はぁ。アニメでも見てぼーっとしよ。」
着替えもせずに、ただぼんやりアニメをみていたけど、本気で疲れいるのか内容が頭に入ってこない。
「だめだ。やっぱりちょっと出かけよう。」
気分転換にと、ふらふらと家から出て、近所をぼーっと歩く。
河川敷のところまでくると、犬の散歩をしている人がおおい。
「犬かぁ……いいなぁ。かわいい。」
河川敷の自然の匂いですこし癒される。
少しずつ陽が落ちてきて、そろそろ戻ろうと、ふたたび帰り道をぼーっと歩いていたら、後ろから誰かに引っ張られた。
「ひゃっ…!」
「おい!危ないぞ!」
「えっ、なに!?」
前を見ると、ぼーっとしたまま赤信号を渡ろうとしていた。
「わっ…!あぶなかった!す、すみません!ぼんやりしていて、ありがとうございます…!」
と頭を下げた。
「どうした。考え事か?君はいつも危なっかしいな。」
ん?ふつうに喋りかけられた?パッと顔を上げて相手を見る。
「あ、あかい、さん?」
ぎり!ギリギリ名前思い出せたー!
覚えやすい名前でよかった!