【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第7章 お前の1/3と言われても。【 轟焦凍 】
「あ、アハハ……そ、そうなんだね! 体育かぁ!」
出久が咄嗟にフォローを入れてくれるが、その視線は明らかに泳いでいる。
麗日に至っては「青春や……」と謎の感動を浮かべて天を仰いでいた。
「もう……! 行くよ焦凍!!」
は轟の手首を掴むと、半ば引っ張るようにして玄関へと急いだ。
◇
寮の外、周りに誰もいなくなったタイミングを見計らって、は轟を壁に押しつける(と言っても体格差でまったく動かない)ようにして睨みつけた。
「焦凍!言ったよね!?みんなには秘密!コソコソするの!セフレなんだから周囲にバレたら大変なことになるでしょ!?」
「隠す理由が分からねぇ」
轟は塞がれていた口が自由になると、至極当然といった風にを見下ろした。
「俺とお前が一緒にいることに、何かやましいことでもあるのか?俺は、隠れて付き合うつもりはない」
「付き合ってないの!!セフレなの!!」
「同じことだろ」
「全然違うわ!!」
頭を抱えるをよそに、轟はそっと手を伸ばすと、彼女の乱れた髪を優しく耳にかけてくれた。
その手つきがあまりにも甘く、丁寧で、の鼓動が跳ね上がる。
「俺は、お前と隠れるのは嫌だ」
ぽつりと落とされた低い声。
どこか頑固で、けれどどこまでもまっすぐな瞳。
(……この人、本当に無自覚で私を殺しにきてる……)
隠したいと、堂々としすぎている轟。
毎朝繰り返されるこの攻防戦に、の心臓はいくらあっても足りそうになかった。