【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第5章 先輩の1/3になりまして。【 緑谷出久 】
「君、ヒーロー科の1年生? 」
はすっと一歩踏み込み、出久のパーソナルスペースへ滑り込んだ。
顔を覗き込むと、出久の大きな瞳が丸くなり、見る見るうちに耳の先まで真っ赤に染まっていく。
「は、はいっ! 1年A組の、緑谷出久です……っ! その、先輩、距離が……っ」
慌てて半歩後ずさろうとする出久。
けれどは逃がさない。
さらに半歩詰めて、首を少し傾げた。
「緑谷くん、ね。私は2年の。……なんか緑谷くんって、すっごく可愛いね?」
「ええっ!?か、可愛……っ!?ぼ、僕がですか!?」
耳どころか顔全体を真っ赤にして、手をぶんぶんと振る出久。
動揺のあまり視線をあちこちに泳がせ、目の前のと目を合わせられなくなっている。
(あ、なにこれ。反応が予想以上に素直でめちゃくちゃ可愛い……)
グッと間合いを詰めた時の動揺の仕方が完璧すぎる。
押しに弱そうだし、ちょっと意地悪して甘く迫ったら、あっという間に流されてくれそうだ。
「困ったことがあったら、いつでも先輩を頼ってね? なんでも教えてあげるから」
耳元へ顔を寄せて甘い声で囁くと、出久は「ひいっ」と小さな悲鳴を上げて完全に固まった。
(……うん、この子はいける。じっくり可愛がって落とそう)
真っ赤になって固まっている反応に大満足しながら、は心の中で微笑むのだった。
***
それ以来、の日常には新たな楽しみが加わった。
休み時間や放課後になると、何かと理由をつけては1年A組の教室周辺に出没し、出久に絡みに行くのだ。
「あ、出久くーん。今日の授業どうだった?」
「ひゃあっ!?先輩っ!?」
廊下で声をかけるだけで、出久は跳び上がらんばかりに驚き、抱えていたノートを落としそうになる。