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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第4章 野生児の生態


私の膝を食い入るように見ていた我牙丸くんがゆっくり息を吸い込んでドンドン膨らんでいった。
一回り大きくなったところで膨らむのは止まって、息も止めているようだった。

え、これ、怒ってる?
6秒堪えるとかいうアンガーマネジメント?
いや、もう6秒以上経ってるよ。
え、6秒じゃ治まらないくらい怒ってる?

そうして結局30秒くらい息を止めてから、今度はダハーと一気に空気が抜けて、大きくなった身体は萎んで頭は体育座りしている膝の間に沈んでいった。
そして抜けきった最後の空気で小さく

「よかった…」

って呟いた。
それを聞いてようやく我牙丸くんは怒ってないって気付いた。
ただただ安心したといった感じ。
なんだか申し訳ない気持ちになってきた。

「…我牙丸くん…あの……心配かけてごめんね?」

未だに膝の間に顔を沈ませたままの我牙丸くんも十分心配なので足の間を覗き込むと、我牙丸くんもこちらを窺うように顔を上げた。

うわっ、なんかどんぐり眼が潤んでる気がする。
え、私、高校生男子を泣かせた?
嘘でしょ?
なんで!?

「ご、ごめんね?本当に心配させるつもりは…少しはあったけど、こんなに心配すると思わなくて…本当、ごめんね?」

「いや、俺が悪かった。俺が虐待なんてするから…」

最後の方に向かって声が沈んでいく我牙丸くん。

ん?虐待?

「動物虐待なんて一番許せないのに、知らないうちに俺がやってたのが許せない。透はもっと怒っていい」

え?
何の話をしているのかわからない?
なんで動物虐待の話になってるの??


……


あ…!


『今のは小動物虐待だからね!』


私だ…!
え、あれで我牙丸くんの様子がおかしくなってたの?
自分が動物虐待してしまったって?
で、虐待被害者の私を午前中いっぱいあんな視線を向けてたの?


……


「我牙丸くん…」

「はい…」

いや、その『どんなお叱りも受け入れます』みたいな返事よ…

「あのね、私が『小動物虐待』って言ったのは…何ていうか…物の例えでね…えーと、つまりね……今朝のあれは動物虐待には当たらない…かな」

私が苦笑いしながらそう伝えれば、我牙丸くんのハの字眉はゆっくりといつもの位置に戻っていった。
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