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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第4章 野生児の生態


家に帰った後、お弁当をキッチンのシンクに出しているとお母さんが寄ってきた。
たぶん我牙丸くんの反応が聞きたいんだろうと思って先手を打つ。

「我牙丸くん、喜んでたよ。ペロッと食べてた」

「そう?よかったぁ!やっぱり運動してる男の子は食べっぷりが違うわねぇ!」

シンクに出された空っぽのお弁当を嬉しそうに見ている。

「たまにまた作ってあげようかしらぁ!」

えらい喜びよう。
きっと私はいつも感想なんて言わないし、喜びも感謝も伝えないからなんだろうな。
たまには「ありがとう」って言わなきゃなって思った。
そして、あわよくば我牙丸くんにまたお弁当を作ろうという気を起こさないでいただきたい。
これ以上の餌付けは野生の生態系を壊しかねない。

でも、もし次があるとしたら一つだけお母さんに要望がある。

「お母さん、もし次、我牙丸くんにお弁当作った時は箸じゃなくてフォークつけてー。我牙丸くん、箸…えーと…苦手みたいだからー」

正直に『箸、使わない』とは言えなかった。
たぶんアレは実際に見ないと理解できないだろうから。
我牙丸くんも箸は使わないけどフォークは使ってくれるだろうか?
使えるんだろうか?
いや、我牙丸くんの生態に興味を持ってはいけない。
あと一回くらいならいいかと思っちゃいけない。
その一回がきっと命取りになるんだ、きっと。
今後はクラスメイトとして適切な距離感で付き合っていきたい。
是が非でも。



でも、その時の私は知らなかった。

もう既にある噂の種は蒔かれていて、密かに根をはり芽吹いていることを。

その噂がまぁまぁ育ってから私が知ることになることを。
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