【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第4章 野生児の生態
正直、キズが見える見えない云々はどうでもよかった。
ただ、ガーゼで手当てされているのを見て我牙丸くんがどういう反応するのかを見てみたかった。
その結果、「しっかり手当てしてもらえてよかった」って安心するならそれはそれでいいし、「そんなにひどいケガだったのか」ってショックを受けるならそれはそれで反省を促せる。
まぁ、我牙丸くんなら五分五分でどっちもありそう。
そして、本鈴が鳴る前に教室に滑り込むことができた。
私が席に着くなり我牙丸くんが
「透…」
と私に話しかけようとしてきたけど、早速膝のガーゼに気付いたようで言葉を飲み込んだ音が聞こえた。
チラリと我牙丸くんを見ると、ケガした時と同様にどんぐり眼をこれでもかと見開いて、今回は口まであんぐり開けている。
あ、ヤバい…これは…
こうかは ばつぐんだ!
思わずポケモンのワンフレーズが頭に浮かんだ。
朝みたいにどんぐり眼を膝と私の顔を行ったり来たりさせてるのが視界の端で感じる。
いつもは先生が入ってくればそっちを見るのに、今日はずっとこっち見てる…!
てか、授業始まってもこっち見てる…!
決して我牙丸くんと目が合わないように気をつけながら黒板を見るふりして我牙丸くんの様子を伺う。
眉毛がこれ以上は無理っていうほどハの字になってる…!
お願いだから授業はちゃんと受けて…。
三時限目の体育も女子がバドミントンやっているところを隣のコートからずっと見てる…!
見すぎて男子がやってるバスケのボールが頭にクリティカルヒットしてる…!
そんなのを視界の端に収めているもんだから私までバドミントンの羽根を空振りしてしまった。
私が空振りした瞬間、我牙丸くんの身体がビクリと動いて一歩だけこっちに踏み出してる。
いや、この空振りはケガ関係ないから!
普通に運動神経の問題だから!
もうダメだ…。
私の方がその視線に耐えられない…。
時間と共に罪悪感も積もってくる。
四時限目の授業を受けてる時に、そういえば我牙丸くんのお弁当もあるしCDも返さなければいけないことに気付いた私はさすがに年貢の納め時を感じた。
しょうがないので四時限目が終わってから深く深呼吸をして、覚悟を決めて我牙丸くんと向き合う。