【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第3章 近くの野生児
もうダメだ。
五分以上待ってもクルクルから抜け出してくる気配がない。
とりあえず電源ボタン長押しして強制終了して再起動をかけるしかない。
一度黒くなる画面の前で頭を抱える。
お母さんと我牙丸くん、何話してるんだろう…。
どっちもろくなこと言わなそうで心配しかない。
てか、我牙丸くん、絶対敬語とか、いや丁寧語も話せるか危うい。
絶対お母さんに変な人って思われるよー。
いや、実際変な人だし、我牙丸くんがそう思われて私が困ることなんてないんだけどさぁ。
そんなことをさっきまでずっと目にしてた画面のクルクルのように延々と考えていた。
そしたら、不意に。
「あ、いた」
かなり近くでそう聞こえた。
反射的にそちらを見ると、開けていたドアのところに我牙丸くんが立っていた。
「〜〜〜〜っ!」
一瞬、声が出なくて、その間にも「へぇー」ってしげしげと私の部屋を見渡しながら我牙丸くんが一歩踏み出してようやく言葉になった。
「なんでここにいるの!?」
「なんか時間かかってるから透の部屋でマンガでも読んでたらって透の母ちゃんが言うから」
二人とも何を当たり前のようにお年頃の女子の部屋にお年頃の男子がいる状況を受け入れるどころか押し通してるの!?
てか、我牙丸くん、マンガ好きなことまで話してるじゃん。
「透の匂いがする」
そりゃ私の部屋ですからするでしょうね!
てか、匂い嗅がないでほしい。
できれば出ていってほしい。
けど、私の心の内なんて知らない我牙丸くんはズカズカと中まで入ってくると私の本棚を勝手に覗いてる。
「あ」
「なに!?」
ようやく再起動して明るくなったパソコン画面に向かい操作しながら、返事は荒くなっていた。
「これ、読んだことない」
「え?」
我牙丸くんの方を見ると既に手は本棚のマンガにかかっている。
けど、私がそっちを見たからか我牙丸くんは手を止めて私の方をじっと見た。
いや、今勝手に取ろうとしてたよね?
なんで私がそっち見たら私の許可待ってますみたいな顔してるの?
勝手に取ればいいじゃん!
「…それ、貸す?」
「うっしゃ」
そして一巻を本棚から抜き取ると床に座って読み始めた。
いや、ポジティブに捉えよう。
マンガ読んでる間は部屋の中をジロジロ見られることはない。
その間はCDの取り込みに集中できる。