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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第3章 近くの野生児


歩き出す我牙丸くんに私も続く。
何歩か歩いてから気付く。

我牙丸くん、めちゃくちゃ歩くの速い!
いや、身長分足の長さが違うのは理解できるよ?
でも、それだけじゃ説明できないくらい速い。
そんなにせかせか歩いている感じもしないのに…。
たぶん歩幅が異常に広いんだと思う。
我牙丸くんが三歩進む度に私が小走りで追いかけなければついていけない。
階段なんて普通に歩くように二段飛ばしで降りていくから私は急いで駆け降りなければいけない。
そんなんだから校門を出る頃には私の息は上がっていた。

「…が…我牙丸…くん…」

思わず我牙丸くんの袖を掴む。
そうしないと止まってもらえないような気がした。
でも、それが功を奏したのか我牙丸くんは歩みを止めてどんぐり眼をこちらに向けてくれた。

「どうした?」

不思議そうに小首を傾げながら。
私がなんでこんなに息を切らしているのかなんて理解できないらしい。

「…ごめん…もう少し…ゆっくり…歩いて…」

そこまで言って初めて、いつも無表情の我牙丸くんが少しだけ目を見開いた。
いや、そんな鳩が豆鉄砲くらったような顔されても…。

「すまん。気づかなかった」

「うん」

「透がこんなに小さいって思わなかった」

「……」

「?」

いや、もうわかってるよ?
我牙丸くんに悪気がないことくらい。
でもさ、私、そんなに小さくないよ?
身長なんて全国平均ど真ん中だよ?
てかさ、我牙丸くんが大きすぎるんじゃん!

「うん!だからゆっくり歩いてくれるかなぁ?私、小さいからさぁ!」

たぶん入学してから一番声張ったと思う。
自分でもなんでこんなにムッとしたのかわからない。
放課後、数時間一人で待たされて、なのに私のことは全く待ってくれないことが嫌だったのか。
それともただ単に疲れているだけなのか。
ただ、ちょっと嫌な言い方をしてしまったかな?とは思った。
なのに、我牙丸くんは数秒私を見つめると

「おー、わかった」

とだけ言ってまた歩き出した。
さっきと比べてゆっくり。
長い脚を振り子のように振りながら。
三歩に一回、私が付いてきてるか視線をくれる。

「…このくらいの速さなら大丈夫」

「おー、わかったー」

うん、悪い人じゃないんだよなー。
ただちょっと変わっているだけで。
なんかすごく素直だし。
それがたまにちょっと面白い。
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