【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第3章 近くの野生児
そのままイヤホンから流れるサザンを二曲聞いた。
三曲目に入った辺りでスマホが震えた。
身体は机に預けたままスマホを操作して確認すると、それは待ちわびたメッセージ。
『部活おわった』
目にした瞬間、身体がガバッと飛び起きた。
どこに行けばいいのかメッセージを送ろうと思ったけど、とりあえず昇降口に向かいながら打ち込もうとスクールバッグを肩にかけてスマホ画面を見ながら歩き始める。
が、椅子から立ち上がり、振り返った瞬間にドンッと何かにぶつかった。
転びはしなかったけど、よろけて自分の机に腰をぶつけた。
痛みと今何が起こったのかで混乱しながら目の前を見るとぬりかべのように大きいものがヌッと立っていて思わず口から「ふぁ!」と悲鳴ともならない大きな声が飛び出した。
飛び出した後で目の前の壁を辿るように上を見ると見知ったどんぐり眼がこっちを見ていた。
え、なんでここにいるの?
今『部活おわった』ってメッセージ来てたよね?
てか、我牙丸くんって近くで見るとこんなに大きいの?
デカっ!
「えっと…ごめんね、なんか今メッセージ届いて…」
きっと電波の関係か何かで送ったメッセージが上手く届かなくて今通知が来たんだろうと結論づけた。
「うん、今送った」
「え…?」
今送ったんかい!
「透、教室にいるかなって思って来てみたら寝てたからメッセージ送った」
「我牙丸くん…『部活おわった』はさ、部活終わった時か帰る準備できた時に送るメッセージだと思うんだ…。もう同じ部屋にいるなら普通に声かけて…」
「あー、わかった。次からはそうする」
いや、たぶんこんなことは二度とないとは思うんだけど…。
そう思いながら我牙丸くんを見る。
我牙丸くんは部活のジャージを着ていて、左胸には『野生高校 蹴球部』と書かれていた。
蹴球…蹴る球……サッカー?
「我牙丸くんってサッカー部だったの?」
「うん」
「そうなんだ。てっきり背が高いからバスケ部とかバレー部とかだと思ってた」
「あー、どっちも出来るけどサッカーが一番得意。俺、結構うまいぞ?」
「そうなんだ。我牙丸くん、運動は何でも出来るんだね」
「おー、今度見に来るかー?」
「あー…まぁ、機会があったら」
「そうか。じゃあ、もっと練習しとく」
社交辞令で言ったつもりなのに、我牙丸くんにはそんなの通じないようだった。
