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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第3章 近くの野生児


そうして我牙丸くんには申し訳ないけど昼休みは久々に私のサンクチュアリ、もとい特別教室棟の犬走りに私は逃げた。
とにかく我牙丸くんのどんぐり眼から逃げたかった。
せめてCDの感想が準備できるまでは。
ため息をついてサザンを流してお弁当を食べる。
食べ終わると校舎の壁に背中と頭を預けて、空を仰ぎながら目を閉じる。
いや、いいんだよ?サザン。
どの曲も。
まず声がいいんだもん。
心地良い。
流行りの曲にはないような曲調も面白い。
歌詞もそれを乗せるリズムも面白い。
でも、じゃあ我牙丸くんに「どうだった?」と訊かれた時にこんなことを真面目に答えるの?
それとも「すっごい良かった!」って端的に熱強めで伝えた方がいいのかな。
そっちは何となく私のキャラじゃない気がするけど。
またため息が勝手に口から出ていった。
明日は休みだし、このまま気づかないふりしてやり過ごしちゃおうかな。
他のCDも聴けばもっと感想が思い浮かぶかもしれないし。

そう思っていた時だった。
私の右のイヤホンがするりと抜けていった。
思わずうなじから毛が逆立つような感覚が走る。
だって、自然に抜けることなんてほぼない。
そして、この感覚は少し前に体験済みでもある。
私は首を軋ませながらぎこちなく右側を見る。
それとほぼ同時に

「あ、聴いてる」

という我牙丸くんの声が聞こえた。
隣に我牙丸くんがこの前みたいに大きい身体を小さくすぼめるように座っている。
こっちからは見えないけど、きっと私のイヤホンが右耳に入っていて、私の左耳に流れている同じ曲を我牙丸くんも聴いているのだろうとわかる。

「我…牙丸くん…いつからいたの?」

「透がお弁当食べ終わった後から」

まぁまぁ時間経ってる。
たぶん二曲分くらいは。

「…それまでどこにいたの?」

「向こうの校舎の角」

そう指差す角はまぁまぁ距離があって、たぶんあそこに我牙丸くんが立っていても豆粒くらいにしか見えないと思う。

「あそこから私だってわかるの?」

「わかる。俺、視力6.0だから」

「うっそだー」

「ほんと。透のお弁当の中身まで見える」

「え…」

「透、卵焼き残してるから嫌いなのかと思ったけど、最後に食べた時嬉しそうな顔してたから好きな物は最後に食べる派なんだってわかった」

「いや、怖い怖い怖い」
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