【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第3章 近くの野生児
家に帰ってから我牙丸くんから借りたCDを机の上に並べてみる。
リリースされた順番がわからなかったからスマホで調べて順番通りに。
思ってみればCDで音楽を聴くのは久しぶりかもしれない。
改めて今まで音楽を聴こうと思って聴いてはいなかったんだなと思った。
ただCDって一度パソコンに取り込んで、そこからスマホに取り込まなきゃいけないから地味に手間なんだよね。
「んー」と少し迷ってからとりあえず一番新しいCDを取り込むことにした。
あとは次の休みの日にでもまとめて取り込んで、週明けに我牙丸くんに返せばいいかなと思った。
取り込んでから一度だけ聴いた。
どこでとか何でとかはわからないけれど聴いたことがある曲がいくつもあって、たぶんいろいろな主題歌とかCMとかイメージソングとかに採用されているんだと思う。
うん、これなら聴いててもなんかスッと入ってくる。
よく聴く流行りの曲にはない安定感が何となく心地良い。
きっとこれより昔のCDになってくれば知らない曲も増えてくるかもしれない。
けど、この心地良さはたぶんどれも一緒なのかな、と思う。
この日はなんだか寝るまで心が落ち着いて、それでいてどこか新しいものに触れたドキドキ?ワクワク?みたいな気持ちで眠ることができた。
で、次の日。
よく眠れたのかいつもよりスッキリ起きれて、学校に行く。
登校中も学校に着いてからもホームルームが始まるまで、昨日取り込んだCDをずっとリピートして聴く。
予鈴が鳴る時間になってようやく音楽を止めてイヤホンを片付ける。
片付けながらふと隣の席に視線をやると微動だにしないどんぐり眼がそこにあってビクリの身体がしなる。
いつからかはわからないけど、たぶんずっと見てたんじゃないかと思う。
「あ…おはよ、我牙丸くん」
「おー、おはよ。透…」
何か言葉が続きそうに感じたけど、その瞬間先生が入ってきて我牙丸くんは「あー」と言っただけで顔を反対に向けてしまった。
その後も何かと我牙丸くんの視線を感じることが多々あった。
もしかして、「CD聴いた?」とか「どうだった?」とか訊かれるんだろうか?
一応聴いてはいるけど、そんなことを訊かれてどう答えればいいかわからない。
せっかく貸してくれたのに我牙丸くんをガッカリさせるような感想を言ってしまうんじゃないか。
それが怖くて我牙丸くんの方は見れなかった。
