【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第3章 近くの野生児
次の日も昼休みに入ると我牙丸くんはどこかに行った。
だから私は教室でお弁当を食べた。
食べ終わったらいつも通り音楽を聴きながらスマホを見た。
教室にいる時に動物の動画は見ない。
前に一度、教室で見てみたけどどう頑張っても顔がニヤけちゃう。
一人でスマホ見てニヤニヤしていたら、周りからしたらちょっと気持ち悪いだろうから。
だから、なんてないネットニュースとかを流し見しながら時間を過ごしていた。
やっぱり我牙丸くんには悪いけど、今度からやっぱり外に行こうかな…
周りに人がいるのといないのとではやっぱり違う。
一度だけ小さくため息をついた。
その時だった。
右肩を誰かにトントンと叩かれて、咄嗟にそちらを向いてしまった。
肩を叩いた人物を認識するよりも前に右頬に何かが突き刺さる感覚が走って、その場で固まる。
そこからは目だけで肩を叩いた人物を追う。
そこには見知ったどんぐり眼。
屈んでいるのか少し近い。
右肩に置かれた手は人さし指だけ立てられてて、それが私の頬に押し当てられている。
典型的な小学生のいたずら。
は?
え、何?
どういう状況?
私が尚も固まっていると我牙丸くんの口がパクパクと動いた。
あ、何か話してるけどイヤホンのせいで聞こえないのか。
慌ててイヤホンを取る。
その間も頬に指は刺さったままだ。
「え…と…何?」
「呼んだけど、透、気付かないから」
「あ…ごめん…」
「うん」
「で、あの…この指は?」
「ん?」
「あの…これ…」
私は私の頬に刺さっているゴツゴツした指を指差す。
我牙丸くんは私の指と自分の指を交互に視線を巡らすと
「透、引っかかるかなって思った」
といつもの無感動な感じで言った。
いや、その発想自体が無邪気すぎる…。
そしてまんまと引っかかる子供心を忘れかけてる私…。
「えっと…もういい?これ…」
「あ、うん」
ようやく私の左頬は解放された。
痛みがあるわけじゃないけど、なんとなく我牙丸くんの指が刺さっていたところを擦る。
それを悪びれるわけでもなくどんぐり眼で見つめる我牙丸くん。
そういえば「呼んだけど」って言ってた。
「あ、私のこと呼んだの?」
「おー」
「えっと…どうして?」
「あー、うん」
そう言って我牙丸くんは肩にかけていた我牙丸くんのバッグをゴソゴソとし始めた。
