【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第3章 近くの野生児

その日の我牙丸くんはまたここ数日の調子で休み時間には私の方を見てた。
え、何?
昨日、一人がいいって言ったから私を放っておくことにしたんじゃないの?
なんかすっごい見てる。
え、これ、なんか反応すべき?
いや、でも、外を見てるだけ説も否定できないし…
そしたら私、自意識過剰みたいでイタイし…
そう思って結局はイヤホンに逃げて、今日も視線は外に、けれども意識は視界の端の我牙丸くんに向けていた。
それなのに昼休みになってすぐに我牙丸くんはカバンを持ってどこかに行ってしまった。
いや、私はいつもの犬走りに行くから関係ないんだけど。
でも、また犬走りに我牙丸くんが来たらどうしよう。
いや、昨日私が一人になりたいって言ったら「わかった」って去っていったんだもん。
もう来ないよね。
そうして座る一人だけの犬走り。
また気づいたら隣に我牙丸くんがいるんじゃないかとソワソワしながらお弁当を食べる。
スマホでは今日も動物の動画。
なんとなく気になって山の動物シリーズ。
鹿とかリスとかタヌキとか。
山にも可愛い動物はたくさんいる。
我牙丸くんが隣にいたらこんな可愛い動物のちょっとした豆知識を教えてくれるんだろうな。
でも、我牙丸くんは来なかった。
予鈴が鳴って、教室に戻ってもまだ我牙丸くんは席にいなくて、本鈴が鳴っている途中に走って席についていた。
間に合ったことに安心したのか、走ってきて疲れたのか、「ふー」と息をつくとまたいつもみたいに机に突っ伏した。
五時限目の休み時間の我牙丸くんはクラスの男子に声をかけられて私の方は見ていなかった。
六時限目が終わってしまえばもう帰るだけ。
帰る時に我牙丸くんと目が合ってビクリとしてしまったけど、「また、ね」って言うことができた。
我牙丸くんからはやっぱり「あーうん」って返ってきて、私は教室を後にした。
次の日は移動教室が多い日だった。
だから休み時間に我牙丸くんに見られることもなかったし、昼休みになるとやっぱりすぐにカバンを持ってどこかに行ってしまった。
我牙丸くん、もしかして昼休みに私が一人になれるようにどこか行ってくれているのかもしれない。
私がわざわざ外まで行かなくてもいいように。
そう考えてしまったら、わざわざ外に行くのも我牙丸くんの気遣いを無下にしているようで。
ちょうど天気も悪かったし、今日は教室でご飯を食べることにした。
