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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第3章 近くの野生児


予鈴が鳴って、教室に戻ると我牙丸くんは何事もなかったかのようにいつも通り机に突っ伏してスマホをいじっていた。
私が席についてもこちらを見ることもなかった。
それは五時限目が終わっても、六時限目が終わっても、帰りのホームルームが終わっても変わらなかった。
昨日は挨拶して今日しないのはそれはそれでおかしいような気がして「我牙丸くん、またね」って言ったら、我牙丸くんはこっちを見ないで「おー、また」って言った。

帰り道。
何だが心がざわざわした。
そんなのおかしいってわかってる。
だって、私が「一人がいい」って言ったんだもん。
我牙丸くんはそれを叶えてくれてるだけじゃん。
なのに、こんな気持ちになる方がおかしいんだ。
今日、ちょっと動物の動画で盛り上がったってだけじゃん。
たった、それだけじゃん。

でも、それだけのことがすごく、すごく楽しかった。


次の日、珍しく寝坊して家を出るのが遅くなった。
いや、家を出るのが遅くなったのは寝坊のせいだけじゃない。
なんだか学校に足が向かなかった。
昨日の今日で学校に行って、我牙丸くんはどうするだろう。
昨日の午後みたいにこっちをずっと見ないでおくのかな。
いや、それが今まで通りなんだけど、そうなるのかもって思ったらなんか学校に行きづらかった。
それでも学校を休む度胸もなくて重い足で学校に向かう。
そうしたら始業チャイムギリギリ。
自分の席を見たら、隣にはもう我牙丸くんが来ていて身体を横たえている。
私は意を決して席に向かう。
カバンを机に置いたタイミングで我牙丸くんの顔だけこっちに向いた。

「透、おはよ」

ここ数日続いていた挨拶そのままに言われた。
思わず息を飲んだ。
あまりにも普通過ぎて。
昨日のことは夢だったのかもしれないって思うほど。
そのくらい普通だった。
たぶん私、驚いた顔してる。
我牙丸くんはそんな私の顔を「?」と不思議そうに眺めている。

「…あ、おはよ」

「うん」

我牙丸くんは私の挨拶を受け取るとまた顔を向こうに戻した。
ただそれだけ。
ただそれだけの普通のこと。
それだけなのに、なんだか。

なんだかすごく、すごく胸が温かくなった。
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