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【G@lileo】音色の方程式

第12章 『離隔る』




 「…………」


 私はフルートを下ろし、
 理工学部棟を見あげた。

 いつもの窓は閉まっている。


 「今日、いないのかな」


 先生にも予定はある。

 講義や研究。
 会議、学生の指導。

 いつも同じ時間にいるとは限らない。


 「…………」


 まあ、そんな日もあるか。


 「……よし」


 もう一度、フルートを構える。

 息を吸って吹く。

 数分して、演奏を止める。


 「…………」


 なんとなくベンチを見る。
 ベンチには誰もいない。


 「…………」


 もう一度楽器を構えて吹く。
 また数分して、演奏を止める。


 「…………」


 楽器を下ろし、振り返る。

 やっぱり、誰もいない。


 「……何やってんだろ」


 これでは、
 誰かを待っているみたいだ。


 「…………」


 私はもう一度、フルートを構えた。

 今度は振り返らなかった。





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