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【G@lileo】音色の方程式

第11章 『意識る』




 湯川は本を開いていた。

 しかし、
 さっきから同じ箇所を読んでいた。


 「…………」


 フルートの音、彼女の音、
 テンポ、呼吸、音程。

 いつもと同じように、変化は拾える。

 それなのに、
 気づけば視線が本から離れている。

 フルートを構える姿、
 譜面を追う目、
 息を吸う、その僅かな動き。


 「…………」


 湯川は本へ視線を戻した。

 数行読むとまた、視線が上がる。


 「…………」


 昨日までと、
 彼女は何も変わっていない。

 変わったのは、自分の認識だけだ。




 その事実がひどく厄介だった。





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