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【G@lileo】音色の方程式

第10章 『帰結る』




 数分して、
 世良は別の友人のところへ行った。


 「先生」

 「何だ?」

 「帰ります?」

 「ああ」

 「私も片付け終わったら帰るので」

 「そうか」

 「…………」


 少し考えて、


 「待っててくれます?」


 湯川がこちらを見た。


 「何故?」

 「駅まで一緒に行こうかなって」

 「…………」

 「嫌ならいいですけど」

 「嫌とは言っていない」

 「じゃあ待っててください」

 「ああ」


 私は笑って、控室へ戻った。

 一人残された湯川は、時計を見た。


 「…………」


 彼女を待つ。
 自分は今、それを了承した。


 「…………」


 別に待つ必要はなかった。

 彼女が片付けを終えるまで、
 ここにいる理由もない。

 それぞれ帰ればいい。

 それなのに、

 「ああ」と答えた。

 ほとんど、考える間もなく。


 「…………」


 そして先ほどからもう一つ、
 妙に引っかかっていることがある。

 世良。

 彼女と同じゼミの学生で親しい友人。

 それだけだ。


 「…………」


 なのに、
 彼女の頭に触れたあの手が、
 何故かまだ、記憶に残っている。


 「…………」


 湯川は眉間に指を当てた。

 考える必要はない。
 少なくとも今、考えることではない。

 そう結論づけたところで。


 「お待たせしました!!」


 声が聞こえ、湯川は顔を上げた。





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