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【G@lileo】音色の方程式

第10章 『帰結る』




 「おーい」


 後ろから声がして振り返ると、
 さっきの男子学生が立っていた。


 「あ」


 彼は私の隣にいる先生を見ると、
 少しだけ目を見開いた。


 「湯川先生?」

 「知ってるの?」

 「そりゃ知ってるだろ。有名じゃん」

 「そうなんだ」

 「君は今さら何を言ってるんだ」


 横から先生の声が飛んでくる。


 「だって、理工学部のことなんて詳しくないですもん」

 「そういう問題か?」

 「そういう問題です」


 男子学生が、そんな私たちを見て笑った。


 「この前言ってたの、この先生か」

 「そうそう」

 「…………」


 自分のことを、
 この前言っていた。


 湯川は何も言わず、二人の会話を聞いていた。


 「先生、こっちは同じゼミの世良(せら)です」

 「どうも」

 「こんにちは、世良です」


 世良が軽く頭を下げる。


 「いつも課題手伝ってもらってて」

 「手伝ってるっていうか、こいつがサボるから」

 「サボってない!!」

 「締切前日に泣きついてきただろ」

 「泣きついてない!!」


 星宮と世良が二人で笑う。


 「…………」


 ふと先生を見ると、
 さっきから黙ったままだった。


 「先生?」

 「何だ?」

 「どうしました?」

 「別に」

 「…………」


 なんとなく。

 いつもより少しだけ、
 先生の口数が少ない気がした。





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