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君に唄う 【呪術廻戦*ヒロアカ】

第2章 『泡沫の君に永遠の青を』 五条悟


「悟……!? きみ、一体何を……」



目を見張る夏油たちを他所に、五条は胸を張って言い放った。



「こいつ、高専にスカウトしたから。今日から俺たちの仲間ね」


「「はあぁぁぁ!?」」



夏油と補助監督の叫び声が和室に響き渡る。
あまりの展開の早さとマイペースぶりに、夏油はこめかみを押さえて深く大きなため息をついた。



「悟……言いたいことは山ほどあるが、まずは手を離しな。彼女、怯えているだろう」




夏油に言われてようやく五条がパッと手を離すと、少女は脱兎のごとく部屋の隅へ身を寄せ身構えた。
夏油は呆れ顔から一転、少女を刺激しないようゆっくりと立ち上がると、目線を合わせて穏やかな笑みを向けた。




「驚かせてすまなかったね。私は夏油傑。……さっきは急に驚かせてしまって申し訳なかった。改めて、よろしくね」



優しく差し出された手と言葉に、少女はほんの少しだけ肩の力を抜いた。



「私は……。 」


「か。綺麗な君にピッタリな素敵な名前だね」




夏油が静かにその名を呼ぶと、それまでふんぞり返っていた五条が「は?」と素狂ったような声を上げた。



「ちょっと待て傑! なんでお前が先に名前呼んでんだよ! 俺が連れてきたんだぞ!?」


「どうせきみが名前すら聞いていなかっただけだろう。本当に配慮が足りないよ、悟は」


「んだとゴラ!? 俺が一番最初に手ぇ差し伸べたっつーの!! こいつより俺の名前を先に呼べ!」


「やめないか、悟。が困っているだろう」



いきなり目の前で繰り広げられる男子高校生ふたりの意地の張り合いに、部屋の隅で縮こまっていた彼女はぽかんと口を開けて固まってしまう。
島の人々から向けられていた恐れや憎しみとは全く違う、騒がしくも温かい空気に、彼女の止まっていた時間が少しずつ動き始めようとしていた。




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